後期研修について

筑波大学眼科では,魅力的な後期研修を実践しています.筑波大学のレジデント制度の中での後期研修とは,3年目から6年目までの4年間を指しています.この4年間で,眼科の総合的な知識,そして専門的な技術を身につけられるようなカリキュラムとしています.後期研修の4年間は,基本的には2年間大学病院,2年間関連総合病院に出向することとなります.大学病院では全ての眼科疾患の治療を行っており,白内障,緑内障,網膜硝子体疾患,角膜疾患,ぶどう膜炎,眼腫瘍などの重症例や特殊症例などを通じて専門的知識を学ぶことができます.そして関連総合病院では結膜炎や白内障など,罹病率の高い一般的な疾患の診断や治療を多数例学ぶことができます.1年毎に交互に大学病院と関連病院に出向することにより,専門的知識および総合的知識を強化していくことができます.後期研修終了後に日本眼科学会による眼科専門医試験がありますが,筑波大学で4年間後期研修を行なったレジデントの合格率は現在のところ100%です.この専門医試験の全体の合格率は毎年60-70%程度ですから,いかに臨床能力に優れた眼科医になれるか分かります.

現在の筑波大学眼科は臨床,学会発表,論文発表のすべてで国内トップクラスのactivityを誇ります.そして医局構成が若く,活気に溢れています.教授を初めとして,講師,レジデントともに仲が良く,非常に風通しの良い診療科です.患者様の診断,治療方針を迅速に決定する上で,この風通しの良さは非常に重要です.今までのレジデント制度の中で中途退職したり他科に転職する人はほとんどいません.後期研修の4年間で,間違いなく充実した生活を送ることができると思います.

尚,他大学の卒業生や中途で後期研修を受けられる方も,本学の卒業生と比べてなんら変わりない研修を受けることができます.また,スーパーローテート中に眼科研修を行わず初期研修後,本院眼科入局を希望されるかたや,現在他科勤務中で本院眼科入局希望のかたも,随時入局募集をしておりますので,ご連絡ください.

詳細はさらに下記をご参照ください.

大学病院での研修

臨床
大学病院での臨床研修は手術,外来,病棟に分かれます.

手術・・・現在,大学病院では年間約1500件以上の手術を行っております.外傷や網膜剥離などの緊急手術も年間200件近く行っています.総手術件数はもとより,難治性白内障や網膜硝子体手術の件数は日本の大学病院の中でもトップクラスを誇ります.さらに,眼腫瘍や複数回の手術治療に抵抗するような緑内障手術など,茨城県ではここでしか経験することのできない症例があります.自分の受け持ちの患者様は原則として助手か術者として入ります.斜視,眼瞼下垂などの外眼手術に始まり,白内障,緑内障,単純な網膜硝子体手術,眼腫瘍など,ほとんどの眼科手術を熟練した術者の指導により後期研修で習得することができます.

外来・・・後期研修では3年目後半より自分の外来を開設し,患者様の診療にあたります.週に2日程度となります,新患の方はもとより,再来の方でも症状,所見に変化のある患者は,必ずその日の外来責任者と共に診察を行い,診断や今後の診療計画を決定します.専門外来につくことはありませんので,全ての分野の眼科疾患を経験することができます.

病棟・・・主治医の大学病院のスタッフと,スーパーローテーターの受持ち医の間に位置する「副主治医」として患者を受け持つ責任のある立場です.術前の検査から診断,治療計画に至るまで全て自分の頭で考え,主治医の先生との相談により診断,治療計画を決定します.
研究,学会発表
筑波大学眼科は希望があれば研究面でも全面的にバックアップします.現在眼科で行なっている研究プロジェクトは,角膜,水晶体,網膜硝子体,緑内障,眼窩腫瘍疾患などの臨床研究の他,生理学,分子生物学,生化学系の基礎研究も精力的に行なっています.筑波大学眼科での年間論文発表数は毎年約50本前後で,そのほとんどが英文論文です(研究業績のページ).もし,興味のある分野があれば,後期研修の4年間の間に精力的に研究をすることができます.各々の分野に指導教官が付き,研究のデザインから実際の研究,データの統計学的解析まで一通りのことができるようになります.現在在職している後期研修の先生の中でもすでに自分の研究を進めて学会発表を行い論文をまとめた先生が何人もいます.しかし,決して研究することをおしつけたり,研究の分野を指導教官が決めつけるようなことはしません.

学会発表も精力的に行なっています.筑波大学眼科では年間に約100の発表を行なっています.後期研修の4年間で,特に大学病院の在職中には年に数回は発表する機会があります.世界で一番規模の大きな学会,The Association for Research in Vision and Ophthalmology (ARVO)が5月にアメリカのフロリダで行われますが,毎年10人以上が筑波大学眼科から演題を出しています.これは日本の大学の中でもトップ5に入る数です.後期研修4年間で最低でも1回,希望があれば毎年演題を出すことも可能です.日本の学会では,一番規模の大きな日本眼科学会,日本臨床眼科学会でほとんどの後期研修の先生が学会に参加,そして発表をし,現在行われている最新の眼科診療を肌で感じとることができます.その他,日本眼科手術学会,日本白内障学会,眼内レンズ屈折手術学会,日本角膜移植学会,眼科ME学会,日本眼感染症学会,日本眼薬理学会,日本小児眼科学会,日本網膜硝子体学会,日本緑内障学会,日本糖尿病眼学会,日本眼炎症学会など....数えたらきりがありませんが,様々な眼科分野の学会に精力的に演題を出し,発表しています.
レクリエーション
筑波大学眼科では,医局員や学生との交流を深めるために様々なレクリエーションを行なっています.眼科BSLに参加して下さる学生さん達とは必ず懇親会を行ないます.様々な学会に参加した時は,その都度,他大学の先生方と夜に懇親会を行なうことが恒例となっています.あの有名な何とか先生が一緒に飲むと意外と気さくで話しやすい先生だとか,眼科以外にこんな趣味があったんだ,なんて後期研修のうちから著名な先生方と話ができます.また,毎年夏に教授宅や大洗マリーナで行われるバーベキューを初めとして,ゴルフ大会,バレーボール,テニス,フットサルなど,皆でスポーツを楽しんでいます.花火大会や温泉に行くこともあります.

関連病院での研修

後期研修の約半分の2年間は基本的に関連病院で眼科研修を行ないます.筑波大学の関連病院は全て総合病院であり,ほぼ茨城全域の総合病院をカバーしています.土浦協同病院,筑波学園病院,筑波記念病院,つくばセントラル病院,総合守谷第一病院,竜ヶ崎済生会病院,西南医療センター病院,大洗海岸病院,日製神立病院,美浦中央病院,水戸赤十字病院,那珂中央病院,水戸協同病院,水戸済生会病院,県立中央病院,県西総合病院,日立総合病院,日立多賀病院,小美玉市国保病院,なめがた地域総合病院,きぬ医師会病院,水戸医療センター病院,日製水戸病院,産業総合研究所病院などの総合病院が関連病院となります.また,虎の門病院,東芝病院などの東京の病院も関連病院となっています(関連病院へのリンク集).

関連病院の外来診療では眼疾患の中でも一般的な結膜炎,屈折異常,白内障,緑内障,糖尿病網膜症などの疾患が多く,大学病院では逆にあまり経験することのできない一般的な罹患率の高い疾患を経験することができます.後期研修の4年間で出向する関連病院は全て眼科手術を行なっている病院であり,しかも年間手術件数が数百例と比較的多い病院に出向することになります.関連病院では白内障手術や外眼部の手術を中心として,緑内障手術,硝子体手術,涙道手術などの手術手技を最低年間100例以上は学ぶことができます.希望があればその関連病院で臨床研究を行なったり,週1回の研究日に大学病院で研究を行い,学会・論文の発表をすることも可能です.

眼科後期研修医からの体験談

1. 眼科診療
筑波大学附属病院眼科の天野と申します。当院の眼科の研修生活(後期研修)について説明したいと思います。

①外来 平日9:00~13:00
週に1~2回自分の外来があります。入局後1年目の医師も順次外来を持つようになります。
茨城県中から集まってくる、症例の宝庫です。様々な経験をしながら、診察の手順・手技・要領を学びましょう。

②教授回診 月曜16:30~17:30
基本的に入院患者全員を当科教授が診察します。その後、患者さんの病態についてプレゼンテーションを行います(カルテ回診)。眼科は短時間で効率良く、回診します!
※金曜日にも上級医(講師)による回診が行われます(15:00~15:30)

③手術 予定手術:火曜、木曜 8:30~17:00
基本的に8時30分に手術開始です。2部屋で手術を行います。緊急手術も適宜入ります。
終わるのは…、その日次第ですね。

手術機械は2013年に最新のものが導入されました。

④実習 (院内)隔週火曜18:00~好きなだけ、(院外)不定期10:00頃~18:00頃
豚の眼を使った白内障手術を体験する実習です。上級医から手術に関していろいろ教わりましょう。また、院外の実習室に直接行き、一日中実習を行うことがあります(土or日;不定期)。集中的にやるので上達すること間違いなし!

⑤当直 (平日)17:15~翌8:30、(土休日)8:30~翌8:30
月に3回くらい回ってきます。
眼科疾患だけを担当するのですが、外傷を含む救急疾患等様々な症例を経験します。

⑥クリニカルカンファレンス(CC) 水曜or木曜19:00~20:00(1~2週間に1回程度)
学内・学外の医師が、自身の研究や経験した症例の発表、および英語論文の抄読会を行います。珍しい症例を知ったり、診察・検査のやりかたを見直したりする良い機会です。
発表する人はプレゼンテーション能力が培われます。学会発表の練習にもなります。発表は年に1~2回ほど回ってきます。

⑦外勤 週1回程度
関連病院などに出向き、診察や手術助手を行います。紹介患者が多く来院する大学とは違い、いわゆるcommon diseaseを診る場です。外来スキルをどんどん向上させましょう。

⑧課外活動 不定期
歓迎会や忘年会など、人並みに(?)飲み会やります。それ以外にもテニス等をはじめとしたレクリエーションなどが不定期で行われます。
働くときは働く、楽しむときは楽しむ。これが眼科のスタイルです。
2. 研修生活
 眼科入局1年目の田崎です。入局して約半年が過ぎましたが、入局してからの眼科の研修生活についてお話ししたいと思います。
 日中の業務では手術室か外来にいる時間がほとんどです。手術室では助手や外回りで手術が円滑に進むようサポートするのが主な仕事ですが、徐々に自分で担当する手術も入り始めています。外来では初めのうちは上司の先生方の外来を手伝いながら合間合間に指導を受けます。10月頃からは自分の外来が始まり眼科医としての責任を重く感じています。
 入院患者の診察は外来の前に行い、適宜必要あれば午後などにも診察します。朝は7時台に出勤することが多いですが、特に手術後翌日は術前との変化を診たり周術期の管理の仕方を学んだりなど、非常に勉強になります。
 今は診療について学ぶべきことも多いのですが、なかなか使いこなせない電子カルテや頭が上がらないベテラン看護師さんなど、様々な壁にぶつかり自分の力が至らないことを日々実感しています。しかし上司の先生方は皆やさしく指導熱心で、自分は本当に良い環境で仕事をさせてもらっているのだと感じることが多々あります。
 しかし辛いことばかりではありません。教授や講師の先生方との飲み会ではおいしい日本酒やワインを飲むことができ、同期やレジデントの先生達とは仕事を早く終わらせてテニスや野球をすることもあります。

 これからは自分が来年入ってくる後輩達にしっかり指導出来るよう、また患者さんにとってより良い医者になれるよう精進していきます。
3. 女性目線
 眼科1年目の石田です。
 眼科での1週間の流れについては他の先生からお話しして頂くとして、私は女性の視点から書いてみます。
 女性はキャリアアップと出産・育児の時期が重なり、将来への不安を持つ方も多いと思います。筑波大学附属病院には子育て中のためにフルタイムで働けない医師のための特別な医師枠があります(GP枠)。この制度を利用すると夕方は基本的に5時で帰ることができ、それ以降の仕事は免除されます。また、夜間の当直にあたることはありません。子育て中の先生は仕事と家庭の両立が可能になるでしょう。
 一方で、早く帰ると他の人に負担がかかってしまったり、経験が積めなかったりするのではないかと不安に思うかもしれません。しかし、眼科では科の特性上日中に仕事が集中しており、夕方から夜に仕事が残ることは少ないので、他科と比べて他の人たちにあまり負担がかかりません。またこの限られた時間でも自分の外来を持ち、自分で手術をし、術後のフォローもすることができ、十分に経験を積めます。実際眼科ではこの制度を利用して仕事と家庭を両立している先生方が沢山います。
 働くときは働いて、無理なときは可能な範囲でがんばる。自分のライフバランスを考えつつ、適宜これらの制度を利用しましょう。
 最後に、眼科を志す研修医の皆様が筑波大学眼科に入局して下さることを心より期待しています。

筑波大学本院の眼科レジデント(大学院生含む)における男女比
 69.2%:30.8%(9人:4人)
筑波大学眼科入局後6年以内の医師の男女比
 52.2%:47.8%(12人:11人)
過去3年間で子育てしながら働いた女性の人数(関連病院含む)
 6人
ご質問、お問い合わせは下記連絡先までご連絡ください。また、卒後研修の全体的な内容については筑波大学卒後臨床研修部のページに詳細がのべられておりますのでご参照ください。

連絡先

研修に関するご質問をメールにて送る場合は g-tukuba@md.tsukuba.ac.jp までお願いします。
なお、お送りいただいたメールすべてにはお返事できない場合がございます。また、メールでの医療相談には原則としてお返事いたしておりません。申し訳ございませんが御了承ください。